八景仙人

仙人のような生き方を模索してる八景のメッセージ

ベン・ホーガンのこだわり ボール

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ベンホーガンは自分の打つボールに大変なこだわりを持っていた。

それは時に意図しない回転を見せるボールに対して

不信感を持っていたのだ。

 

昔は木製ボールの時代もあった

それから羽毛を革で包んだボール、

そしてゴム芯に糸を巻いて、さらにゴムでコーティングしたボールと進化を遂げていった。

当時はとても雑な作りで、

中の芯が歪なものでも外からは分からないことから

かなり質の悪いものも出回っていたようだ。

 

ベン・ホーガンは自分が自信を持って打ち抜いたボールが

おかしい動きをするボールの存在に気がついていた。

そのため、試合に出場する前に、

ボールのバランスをチェックして満足するボールを選定していたのだ。

その方法とは、まず塩水を用意し、 

マジックで印をつけたボールを浮かべ回転させてみる。

何度やっても同じ位置で止まるボールは中の芯が歪んでいる事を指し、

毎回違う位置で止まるボールこそ、

均一でバランスが取れたボールだという。

そして、ボールを握った瞬間にコンパウンド

つまりボールの柔らかさがわかるという特技も持っていた。

ベン・ホーガンの手の感覚は繊細で、

その感覚を活かすため、生涯手袋をすることは無かった。

 

ベンホーガンはクラブ契約をマクレガーとかわしていた。

長く大事に使用されるクラブと違って、

ボールは消耗品。

会社としては一番利益が出るボール市場はうまみが多く、

スター選手のベン・ホーガンに新規参入のマクレガー製ボールの使用を依頼した。

しかし、当のベンホーガンはマクレガー社のボール使用を断った。

数100ダース送られても、

自前で購入したボールしか使用しなかったという。

そのボールが「スポルディング」と「タイトリスト」のボールであった。

当時、まだ無名だったタイトリストをスタープロが支持した訳だ。

その上、1953年度の3大メジャー制覇というのは

「タイトリスト」にとってはこれ以上ないほどの宣伝効果があった。

 

面白いことにタイトリストのボールは

それまでプロゴルフの世界で生きてきた人材から生まれた訳ではない。

趣味でゴルフをしていた一男性の自信を持って打ったパッティング。

そのボールがヨロヨロと変な回転をしたことが発端。

彼はボールの転がりに納得せず、

家に帰ってボールを解体し、

中を確認したところ、

歪な芯が出てきた。

これではまっすぐ転がるわけがない!

そうして質の良いボールを作ろうと試みたことで生を受けることになる。

 

今では何処の社のボールを使っても

転がりが悪くて入らないなんてことはない。

転がりが悪いのは、打ち方が悪い

それが当たり前の現代。

 

でも、

ゴルフボールのディンプルも

今回の芯も

ピンパターのパターヘッドの重量配分も

ちょっとした気付きから生まれているのだ。

ベン・ホーガンが晩年になって、

「今でもゴルフをしていて新鮮で斬新な発見がある。」

そう語っていたのも

常にアンテナを張ってゴルフをしていた

ホーガンならではの言葉だ。

 

私たちもゴルフ雑誌やYouTubeでヒントを探したり、

影響を受け続けるだけでなく、

自分で感じ、考え、発見することを大事にしていきたいものだ。